マスクをズラして着用している人は何も着用していない人よりも嘘つきなようです。
イスラエル工科大学の研究者たちが面白い実験を行いました。
街中を歩いている人に声をかけて次の3種類の人を集めました。
- マスクをきちんとつけている人(100人)
- マスクをあごや首にズラしてつけている人(100人)
- マスクをつけていない人(100人)
そして彼らにDie-Under-The-Cupというゲームをさせました。
これはサイコロを振って出た目の大きさによってお金が貰えるというものです。
今回の実験では出た目に5NIS(新イスラエルシェケル)を掛けた金額が貰えることになっています。(5NIS=約167円)
このゲームのポイントはいくつの目が出たかは自己申告ということです。
なので簡単に不正ができます。
というより不正をさせるために設計されたゲームとして心理学実験ではよく用いられます。
被験者が嘘をついたかどうかは隠しカメラなどを利用しなくても分かります。
期待値との乖離で判断すれば良いからです。
サイコロを1回振ったときの期待値は3.5です。
(1~6までの目に6分の1を掛けたものの合計)
被験者が実際に申告した数字の平均が3.5と離れていれば嘘をついていると分かります。
結果は以下の通りでした。
- マスクをきちんとつけている人たちの平均:4.05
- マスクをあごや首にズラしてつけている人たちの平均:4.91
- マスクをつけていない人たちの平均:4.21
以上の結果からマスクをズラしてつけている人たちがもっとも嘘をつく可能性の高い人たちということが分かりました。
コロナ対策のためにイスラエルでは公共の場でマスクを着用することを義務付けていて、違反すると500NIS(約16,720円)の罰金が課せられることになっています。
そのためマスクをズラしてつけている人たちは警察に見つかったときにズレてしまったと言い訳をするために一応つけているだけという人が多いのではないかと考えられます。
つまり積極的に嘘をつく性格がマスクの着用の仕方にもあらわれているということです。
参考文献:Yossef Tobol, et al.(2020).Dishonesty and mandatory mask wearing in the COVID-19 pandemic