職場でメンタルのバランスを取るために、マインドフルネスを実践している人への注意です。
マインドフルネスは良いことですが間違うと逆効果になり自制心を失ったり仕事のパフォーマンスが落ちたりすることがあります。
マインドフルネスとは
マインドフルネスとは「いま、この状態に注意を向けて良い悪いの判断をすることなく、ありのままを観察する」ということです。
嫌な上司に何か言われて気分が落ち込んだら「そうか、この人にこういうことを言われて、いま自分の気持ちがこうなったのか」と客観的に観察するということです。
マインドフルネスの実践によりメンタルヘルスが改善し、不安を感じにくくなるといったメリットがあります。
異性からモテるようになるという実験結果もあります。
マインドフルネスはトレーニングをすることでうまくできるようになっていきます。
トレーニング法には呼吸や瞑想などがあります。

表層演技とマインドフルネスの組み合わせは危険
このマインドフルネスですが職場で実践するときに、一緒にやってはいけないことがあります。
それは「表層演技」というものです。簡単にいうと怒ったり、悲しんでいるときに、無理に笑顔をつくることです。

心とは裏腹の表層的な演技をしてしまうということです。これをしてしまうとメンタルを病んでしまうリスクがあります。
表層演技が自制心を低下させメンタルに悪い影響を及ぼす
プロビデンス大学が不動産管理会社やコンサルティング会社、病院で働く人たちを調べた研究があります。
それによると職場で作り笑いなどの表層演技をする人ほど、自制心が低下しメンタルヘルスに悪い影響を及ぼすことが分かっています。
そしてそれが仕事のパフォーマンスの低下にもつながるのです。
さらに、この効果はマインドフルネスを実践している人ほど大きいということも分かりました。
心と行動の落差が強調されて病む
マインドフルネスをしながら表層演技をしてしまうと危ないのです。
なぜかというと、マインドフルネスを実践している人のほうが自分を客観視できるため「いま自分は空気を読んで、自分の心と裏腹に作り笑いをしている」と冷静に分析してしまうからです。
そうすると、その心とやっていることの落差が強調され、メンタルのバランスが崩れやすいということです。
笑顔になると余計に落ち込む
笑顔をつくれば、心も明るくなると言われることがあります。確かにそのような効果もあります。
ニュートラルな心の状態であれば問題ないかもしれません。
しかし落ち込んでいるときに無理に笑顔をつくると、ネガティブな感情とポジティブな表情の落差がより強調されてしまいます。
そして余計に落ち込むこともあるのです。
作り笑いをしていると舐められる
マニュアルで笑顔が強制されているファーストフード店の従業員はメンタルを病みやすいという研究もあります。
マインドフルネスを実践するのは良いことですが、無理に作り笑いをする必要はないということです。
作り笑いをしていると性格の悪い人に舐められることもありますから注意しましょう。
(参考文献)Lyddy, C. J., Good, D. J., Bolino, M. C., Thompson, P. S., & Stephens, J. P. (2021). The costs of mindfulness at work: The moderating role of mindfulness in surface acting, self-control depletion, and performance outcomes.