サイコパスの見分け方は色々なところで紹介されています。
主に性格や行動を見て判断するよう説明されることが多いです。
でも実は食の好みやあくびの頻度などからも見分けられるかもしれないのです。
性格に関すること
まずは書籍やネットなどでも説明されているサイコパスの性格について簡潔に説明しておきましょう。
国籍や性別、年齢に関係なく共通する特徴は以下の通りとされています。
- 平然と嘘をつき罪悪感を抱かない
- 自分の間違いを認めない
- 他人を操ろうとする
- よく知らないうちは魅力的にみえる
- 誰かを傷つけることを躊躇しない
- 自信過剰で自慢話が多い
- 共感力がない
複数存在するサイコパス診断スケールのエッセンスを抽出してまとめたものが多いです。
もちろんこれらの特性によって判断することも可能ですが次以降ではあまり知られていないちょっと面白い特徴について紹介します。
苦い食べ物が好き
オーストラリア・インスブルック大学の心理学者であるクリスティナ・サギオルーらは食の好みと性格特性の関連について調査しました。
それによるとサイコパスは苦いものが好きな傾向にあることが分かりました。
約1000人の被験者を対象に行ったこの実験では最初に食べ物のリストが提示されました。
甘いものや苦いものなどが同じ数だけ羅列されたリストです。
被験者にはそれぞれの食べ物についての好みを評価してもらいました。
同時に性格特性に関するアンケートも行いまいた。
その結果、サイコパスの気質を持つ人は苦いものが好きな割合が高いことが分かったのです。
味覚は脳内の大脳辺縁系という部位で処理されます。ここは感情にも関連する部位のためその関連が考えられています。
他人のあくびが伝染しない
誰かがあくびをすると自分もつられてしてしまうことがあります。
これはある種の共感と考えられています。
実際にあくびの映像を見ているときの脳画像を見ると共感に関わる脳の後帯状皮質と楔前部が活発になることも分かっています。
共感力の低い人や自閉症の人はあくびが伝染しにくいとも言われています。
アメリカ・ベイラー大学のブライアン・ランドルは大学生にサイコパスの診断テストを受けさせました。
その後にモニターに映されたあくび、笑い、中立の表情を見せました。
その結果、サイコパス診断テストで低い得点だった学生は高い得点だった学生の2倍近くあくびをしました。
つまりサイコパス傾向のある学生はあくびに釣られ難かったということです。
サイコパスが好き
心理学の世界では「類似性の法則」というものがあります。
自分に似ている人に好意を持ちやすいというものです。似たもの夫婦やカップルなどと言われる要因の一つでもあります。
そしてこの法則はサイコパスにも当てはまるようです。
アメリカ・エモリー大学のアシュレイ・ワッツは約700人を対象に異性の選好について調査しました。
まず理想の異性の外見を想像してもらいます。
その次に70項目からなる性格の特徴リストを元に理想的な性格を作ってもらいました。
実験に参加したほとんどの人はサイコパスの特徴を持つ性格を理想とはしませんでした。
しかし自分自身がサイコパス特性を持つ人は理想の性格としてサイコパスの特徴を挙げることが多かったのです。
普段の交遊関係を見ると何かが分かるかもしれません。
【最後に】サイコパス=凶悪犯罪者ではない
今回紹介したサイコパスの見分け方はあくまで実験の結果として有意差のあったものです。
これに当てはまるからといって必ずサイコパスというわけではありません。
そもそも専門家ではない素人が判別するのは難しい場合もあります。
またサイコパスは凶悪犯罪を起こす人と思っている人もいますが誤解です。
映画などの影響によってそのようなイメージがついてしまっているだけです。
また平凡そうに見える性格の人の中にもサイコパスとしての特徴が散見されることもあります。
もしかしたらあなたもそうかもしれないのです。
参考文献:Christina Sagioglou, Tobias Greitemeyer,(2015)Individual differences in bitter taste preferences are associated with antisocial personality traits
Brian K. Rundle, et al,(2015)Contagious yawning and psychopathy
Ashley Watts, et al,(2018)Do psychopathic birds of a feather flock together? Psychopathic personality traits and romantic preferences