人間はそのときの感情によって人やモノへの評価が変わります。
気分の良いときに見たものは素晴らしく感じるものです。その逆も然りです。
では憂鬱な気分なときに見たテレビCMにはどんな印象を持つでしょうか?
サザエさん症候群(サザエさんシンドローム)とは
精神医学上の正式な言葉ではありませんがサザエさん症候群というものがあります。
これは休日の最終日の夜に「明日から仕事か…」と憂鬱な気分になる心理のことです。
「サザエさんシンドローム」と呼ばれることもあります。
働いている人だけではなく学生にも起こります。
多くの人が平日に仕事をして土日に休む習慣で生活をしているので日曜夜の代名詞的な番組としてサザエさんの名前がついているのです。
不快な気分のときに見たものの評価は下げる
人間はそのときの気分によって人や物への評価を変えることがあります。
これは実験でも分かっています。
エアコンの効いた快適な部屋とわざと不快な環境にした部屋を2つ用意します。
それぞれの部屋に被験者を入れて他人の顔写真を評価してもらいます。
すると不快な部屋にいる参加者のほうが低い評価を下すということが分かっています。
自分が感じている不快な気分を写真の人物の印象に結び付けてしまったのです。
これを心理学で「連合の法則」と言います。
芸能人の良いイメージがCMをしている商品に影響するのもこの効果です。
CMスポンサーが芸能人の不祥事や不倫に神経質になるのもこのためです。
商品のイメージまで悪くなるからです。
視聴者は関係ないと頭で分かっていても潜在意識では避けるようになるのです。
サザエさん症候群が発生しているときにCMを見たら?
私たちが日曜日の夜に見ているのはサザエさんだけではありません。
そこで流れるCMも毎回見ています。
日曜の夜に流れているCMは毎週同じ会社のものが多いです。
無意識のうちに憂鬱な気分とそのCMを連合させているかもしれません。
するとどういうことが起こるでしょうか?
お店で買い物をするときにその商品や企業のロゴを見ると日曜夜の憂鬱な気分が甦ってくるかもしれません。
このように記憶を呼び起こすきっかけとなるものを「フック」と呼びます。
日曜日の夜にCMを流している企業の中には誰かの憂鬱な記憶のフックとなってしまっている所もあるのではないでしょうか?
当然そのようなフックを自宅に持ち帰りたいと思う消費者はいませんから買うことはないです。
家電製品や洋服など長期間に渡って使用される商品では特にそう思うでしょう。
日曜日にCMを流すのは危険かもしれません。