匿名で書き込めるネットの掲示板には批判的なコメントが多数あります。
特に人が集まるヤフーニュースのコメント欄(通称ヤフコメ)は上から目線の偉そうなコメントが溢れています。
ヤフコメ民と呼ばれる彼らはなぜお金が貰えるわけでもないのに時間と手間をかけてまでこのような気持ち悪い書き込みをするのでしょうか?
ただの無職の暇人だからでしょうか?頭が悪いからでしょうか?
もちろんこれらの理由によって書き込みしている人もいると思います。
しかし別の心理学的な理由もあります。
社会の底辺にいると現実世界で承認欲求が満たされない
ちょっと古いですが2015年9月2日のヤフーのスタッフブログにヤフコメに投稿する人達の属性が載っていました。
それによるとヤフコメ民の性別は80%以上が男性です。
さらに性別と年齢で分けると30歳から50歳の男性で50%以上を占めています。
この年齢になってくるとほぼ人生の勝ち負けは決まってきますし、自分でも将来の予測が出来てきます。
社会的な地位が高い人もいれば低い人もいますしそれが固定化されているのが今の世の中です。
勝ち組と負け組がハッキリとしてしまっているのです。
人間には他人から認められたいという(自己)承認欲求というものがあります。
社会的地位の高い低いに関わらず「自分の意見を聞いて欲しい」「知識を披露して尊敬されたい」という欲求があります。
無職も負け組もニートもみんな持っているのです。頭の良い人も悪い人もです。
ネットで誰かが間違ったことを書くと嬉々と講釈を垂れたがる人がいることからもこの心理が分かると思います。
ネットでユーザーを反応させたければはわざと間違ったり勘違いしたフリをすると良いとも言われています。
それなりの立場にいる人であれば実社会の中で意見を尊重してもらえますので承認欲求は満たされています。
しかし社会の中で底辺にいる人の場合、自分の意見を主張できる機会は少ないです。
立場もわきまえずに偉そうに意見をしたら周囲から「何様だよ」と思われてしまいます。
そういう人たちがネットに書き込みをすることによって承認欲求を満たそうとしているのです。
つまり匿名で意見を述べられるような場では底辺にいる人ほど上から目線の偉そうなコメントをしてしまうということです。
またヤフコメには「そう思う」「そう思わない」ボタンがついています。
「そう思う」をたくさん押してもらうことでヤフコメ民はさらに承認欲求を満たすことが出来るのではないでしょうか。
優越の錯覚
人間には「自分は平均よりも優れた人間である」と思い込む習性があります。
これを心理学で「優越の錯覚」と呼びます。
脳内の神経伝達物質と脳活動のネットワークに原因があることが最近の研究でも分かってきました。
優越の錯覚はその人の学歴や職業、社会的な地位に関係なく起こります。
ネットの掲示板には何万人もの人が自分の意見を書き込みます。
そして多くの人が「自分は平均よりも優秀である」と勘違いしているために上から目線で攻撃的な内容を書き込んでしまうのです。
匿名のおかげでより一層攻撃性が増すとも考えられます。
依存しているヤフコメ民はどうすれば良いか?
もしあなた自身が掲示板に書き込むことに依存しているヤフコメ民の場合はどうすれば良いのでしょうか?
その場合は自分の意見が尊重される立場になれば良いのです。
承認欲求は仕事以外のことで満たすことも可能です。
今さら出世や成功は見込めないという人は趣味の世界で頑張るというのも一つの手です。
特定の分野を極めることによってその世界のちょっとした有名人になると意見を求める人が出てきます。
有名人と言ってもTVに出るレベルではなく、人気のブログの管理人になるレベルで良いのです。
他人から意見を求められることで承認欲求を満たすことは可能です。
生活の質(QOL)を高めるという意味でも有効な手段ではないでしょうか。
ヤフコメに長文を頻繁に投稿している人はそれを自分のブログでやってアドセンスでも貼り付けておけば数ヵ月後にはそれなりの収入になると思います。
わざわざそれを他人のプラットフォーム上でやることに何の疑問も持たないことが底辺にいる原因の一つかもしれません。